『影』が純白の光に包み込まれる様は『六師』にも知れる所となった。

「やべえ!!」

咄嗟に『風師』が駆け寄ろうとするが、そそ隙間を縫うように剣が『六王権』に向うのを見て慌てて剣を叩き折る。

他の『五師』も『影』に駆け寄りたいが、絶える事無く飛来してくる剣の対処に身動きをとる事が出来ない。

そんな中、ただ一人、剣の襲撃にも『影』の危機にも動じる事無く、『六王権』はただ静かにその行く末を見ていた。

四十『絶望』

聖剣を振り下ろしながらエミヤは勝利を確信していた。

盾も兵もいない今、『影』は完全に丸腰、避けようにもこの距離では外す筈もない。

影に潜り込ませる暇も与えていない。

油断とは程遠くても勝利を確信出来る。

そう思っていた。

しかし、当の『影』に敗北を察した絶望も焦りも見られない。

かと言って嘲りや余裕の色も無い。

折れる事無く、屈する事無く、目の前の脅威に立ち向かおうとしている。

この至近距離からの宝具発動にどう対処しようと言うのか?

そう考えていたのも刹那の事で直撃しようとしたまさにその時、『影』の手がかすかに動いた。

そして・・・

気付いたら自分の手に握られていた聖剣も、そして『影』を串刺しにしようとしていた剣も全て、その刀身は粉々に砕かれ、自身の腹部も皮膚がかろうじて繋がった程度で切り裂かれていた。









「・・・これこそが俺が天より与えられた力か」

静かに『影』は己の右手に握られているものを凝視する。

それは奇怪なものだった。

形としては杖、それもおとぎ話で出てくるような魔法使いがもっている杖。

長さとしては『影』の足から膝までの長さ。

そしてその杖は黒かった。

あたかも影のように・・・

いや黒いだけではない。

『影』は確かに握っているにも関わらず異常な程、現実味が無い。

やがて、杖は『影』の手からこぼれるようにその形を崩し、影の中に消えていった。

「ぐううう・・・そ、そうか、そう言う事か」

不意に苦痛に満ちた声が『影』の耳に滑り込む。

見れば腹部を両断される寸前まで切り裂かれたエミヤが片手で傷口を押さえながらそれでも立ち上がり『影』と距離を置いていた。

しかし、彼の『無限の剣製(アンリミテッド・ブレイド・ワークス)』はエミヤの劣勢を現すようにその範囲を『影の帝国(シャーテン・ライヒ)』に侵食されている。

更にエミヤの重傷により、『六王権』を狙っていた剣達も影の軍勢を封じ込めていた『破戒すべき全ての符(ルールブレイカー)』も全て消失している。

「そういう事とはどう言う事だ?守護者よ」

「・・・ふっ、気にしなくても良い。私個人の事だ」

「そうか、言いたくないならばそれでも良い。どちらにしろこれでも勝負をつける」

そういうや、『影の帝国(シャーテン・ライヒ)』より続々と影の軍勢が姿を現し、瀕死のエミヤを取り囲む。

「死に掛けの敵を嬲り殺しにするのは趣味ではないが、守護者である以上念には念を押す。恨むなら恨んでくれて結構」

「そうするが良い。人それぞれの事情だ」

瀕死とは思えぬほど、張りと力強さに満ちたエミヤの声に敬意を払いながら、『影』はただ一言告げる。

「・・・やれ」

一斉に繰り出された一撃はエミヤを切り、引き裂き、貫き、抉り、打ち潰した・・・かに見えた。

だが、影の軍勢の武器が届く直前、エミヤの姿は霞の如く掻き消えていた。









(どうやら・・・世界に援けられたか・・・)

深海にも思われる場所でエミヤはその身を休ませる。

(しかし・・・よもやこのような事態になるとは・・・私にしても、世界にしても予想外だった)

信じがたい、いや、信じたくないが、自分がここまで傷付けられたと言う事実が全てを物語る。

いくら『月の王』の力を正統に受け継いだ『六王権』の最高側近とはいえ英霊である守護者・・・それもサーヴァントや使い魔ではなく何の制約も受けていない状態の自分を打破する等、困難の筈。

にもかかわらずそれを行った、それはすなわち奴は自分と同等、またはそれ以上の位という事

英霊でなく、生身の肉体を持つ者でそのような位を持つ者など・・・一つだけ心当たりがある。

いや、ほぼ間違いないだろう。

そしてそれは人類に最悪の絶望を突き付ける。

(衛宮・・・士郎・・・心せよ・・・)

傷を完全に癒す為、強制的に眠りにつこうとする中、届く筈が無いと知りながらそれを言わずに入られなかった。

(貴様が・・・執心し、貴様に・・・執着する・・・奴は・・・『代理人』だ・・・)









「・・・これは・・・」

見ればエミヤの固有結界は完全に『影の帝国(シャーテン・ライヒ)』によって押し潰され、欠片も見当たらない。

「始末した・・・いや、仮にも世界の依頼を受けた守護者がこの程度で・・・」

「そうだな。『影』、守護者は世界の意思が逃がしたようだ」

「陛下」

「ご苦労だった」

その言葉を皮切りに『影』は『影の帝国(シャーテン・ライヒ)』を解除、『六王権』の鎮座する玉座に跪く。

「陛下、この度は」

まず発せられた『影』の謝罪の言葉を『六王権』は遮る。

「よい、出陣を認めたのは私だ。私にしてもお前の『影の帝国(シャーテン・ライヒ)』が破られる等予想の外。お前を責める謂れはない。むしろ守護者を前にしても一歩とて退く事無く、対峙したお前の忠義の心改めて嬉しく思う」

「・・・勿体無きお言葉」

短い言葉のそれに全ての思いが込められていた。

それを察し、『六王権』も満足げに頷く。

「『影』、我が影として今後も霞む事も揺らぐ事もなき忠を私に示せ。ここより先は今までと同じ配置とする」

「御意!!」

それは『影』が『六王権』最高側近の地位に再び着いたと言う事を意味していた。

「では早速・・・」

「旦那、大丈夫かよ?まだ病み上がりだろ?」

「おい、ユンゲルス・・・それは病人に対して言う言葉だろう・・・」

「いや、さっきまで旦那、あの世に片足突っ込んでいたんだぜ。気にかけるのが当然だろう」

「心配するな、『風師』、充分休ませてもらった。それに、俺が溜め込んでしまった仕事を処理しないとな」

「兄上、それでしたら私達である程度は終わらせています」

「そうか、迷惑をかけたなエミリヤ」

「そんな!兄上の補佐を迷惑等と思った事など!!」

「それで『地師』、具体的にはどれだけ終わらせた?」

「はい、八割は私と『闇師』、『炎師』、メリッサで終わらせました」

「ただ、一部が守護者との戦闘の余波で焼失してしまって」

「構わん、終わった分と未だ終わっていない分を照合すれば良い。終わった分は何処に?」

「ご案内いたします、どうぞ」

「あ〜待った、旦那、忘れ物」

そう言って『風師』が差し出したのは『影』が羽織るいつものマント。

「ああ、すまん」

そう言ってマントを羽織り、フードを眼深く被り、いつもの姿になる。

「申し訳ないですけど、やっぱ旦那はそっちの姿になっている方がしっくり来るんですよ」

「奇遇だな。俺もこの姿のほうが落ち着く・・・さて、おしゃべりはここまでだ。案内してくれ」

・・・志貴達も知る由もない場所で一つの闘いは幕を下ろし、同時に一つの絶望が産声を上げた。

おそらく人類にとって最悪の絶望・・・

しかし、その事実を知る者は人類側にはエミヤしかいない。

よりにもよって人を滅ぼす側に『代理人』・・・神に認められ、ワン、カテゴリーだけであるならば、神と同等の力を持つ、最強にして最高位の人間・・・が現れたという絶望を知る者は・・・









『六王権』最高側近『影』が覚醒と同時に抑止の守護者を撃退、『六王権』の身を守った。

この報は抑止の守護者襲撃と同時に『六王権』軍全軍の知れる所となった。

抑止の守護者が自分達を敵とみなした事に少なからず衝撃を受けたようであったが、その守護者を撃退した『影』には驚嘆の声が相次いだ。

『第三次倫敦攻防戦』の失態が未だ記憶に新しい中、その失態を帳消しにしてまだ釣りが来る巨大な武勲を打ち立てたのだから当然と言えば当然であろう。

そんな中、思わぬ凶報に歯軋りし、不服と不満を前面に押し出す者もいた。

その者の名は死徒二十七祖第十七位、『白翼公』トラフィム・オーテンロッゼ。

密かに『六王権』最高側近の座を狙っていた彼にとって『第三次倫敦攻防戦』での『影』の失態は彼を追い落とすのに格好の攻撃材料だった。

だが、自分も『六王権』より最終勅命を受けた身、まずはイギリス全土を占領し、その功績をもって最高側近の座に就く腹積もりでいた。

現に彼の戦略は現状順調に推移しており、このまま行けばまもなくロンドンを敵は放棄するしかないだろう。

最大防衛拠点のロンドンを奪えば後はこちらのもの、未だ後方の防衛体制の整っていないイギリス全土を陥落させるのはきわめて容易の筈。

しかし、その矢先に伝えられた報告はオーテンロッゼの予定調和である筈の未来を狂わせてしまった。

『影』がもたらした武勲に比べれば、ロンドンから敵を追い出しただけのそれと比べればお粗末極まりない。

少なくともオーテンロッゼはそう思っていた。

それ故に彼は決断した。

ロンドンに総攻撃を仕掛け、自分の力でロンドンを落とすと。

その戦果をもって自分の方が『六王権』最高側近に相応しいと声高々に宣言する為に。

だが、実際には『戦わずして勝つ事』こそが上策、被害が膨れ上がるような激戦を繰り広げて堅城を奪うなど下の下策。

見た目の印象と戦功の巨大さは比例する時もあるが反比例する事もある。

それを自覚し、実行に移す事の出来る人材など極めて希少。

しかし、人はえてして見た目が地味と派手なそれを見た時、派手な方を選びたがる。

衣装程度ならばそれは個人の問題だが、戦争において地味な持久戦より派手な決戦を好みたがるのは前線の兵士達にとってはたまった物ではない。

歴史を紐解けばそのような事例に事欠かない。

例えば紀元前3世紀ごろの欧州で起こったローマとカルタゴとの戦争。

この時ローマ軍の将軍の一人フェビウスはカルタゴ軍を率いる名将ハンニバルと対峙するに当たり、戦う事無く、挑む事も無く持久戦による敵の疲弊、消耗を強いる戦法を取ろうとしたが他の将軍やローマの政治家、さらに民衆からの受けは悪く彼は遷延家として嘲笑、罵倒された。

しかし、決戦に赴いたローマ軍は歴史に名高いピレネーの戦いに惨敗、するとフェビウスの持久戦術は見直される事になり、苦しい戦いの末にローマ軍はカルタゴ軍を撃退した。

話は逸れたが、この様に持久戦は即効性こそ乏しいが少しずつ相手の体力を削り取るには最適の戦術である。

だが、地味で尚且つ効果も見えにくい事から人々の支持は低いと言える。

それは戦場に赴かず、安全な後方で安穏を享受している者達ほどその傾向が強い。

その傾向は死徒も同じ事、ましてや長年、死徒の王として君臨してきたオーテンロッゼは尚の事だった。

自分の作戦通り推移してはいたが、成果が眼で見えにくいこの膠着した戦況に内心では不満を抱いていた。

そこに届けられた情報は鬱積していた不満を爆発させてしまった。

こうして慌しく戦闘準備を整えさせる事になる。

そしてこれは『イギリス南部攻防戦』の趨勢を決するのみならず『反攻期』、さらには『蒼黒戦争』全体の情勢をも変える決断だった事は誰も知らない事だった。









「・・・陛下」

玉座の間に鎮座していた『六王権』の傍らに『影』が現れ、その耳元に口を寄せる。

あれから『影』は電光石火の勢いで残存の事務仕事を片付け、『六師』が処理済であった事案に関しては若干の修正を命じている所だった。

「・・・オーテンロッゼがロンドンの総攻撃を開始した模様でございます」

「という事は魔術協会はロンドンを放棄したのか」

「いえ、情報ではオーテンロッゼの包囲により相当の消耗を強いられていますが、ロンドンに放棄の気配は未だ見られず、ロンドンの戦力もまた健在との事」

「そうなれば・・・オーテンロッゼが功を焦ったか」

「おそらくは」

『影』の報を聞き小さく笑う『六王権』。

しかし、その笑みは侮蔑の色が濃い。

『六王権』は既に察していた。

あの男は身の程知らずにも『影』の座を狙っている事を。

確かに現状『六王権』軍兵力の半数以上はオーテンロッゼが支配する死徒、死者だ。

死徒の王と呼ばれるだけの勢力を誇っているし、またそう呼んでも差し支えない実力も本人は持ち合わせている。

しかし、それでもあの男がよりにもよって『影』の座を狙うのは身の程知らずと言うしかない。

最高側近の座は、ただ能力があればなれるものではない。

『影』は自分の力を一部でも受け継いだから最高側近となれたのではない。

その後の彼の『六王権』への忠義、その献身、何より影を支配する能力。

その全てを最高水準まで高めているからこそ彼は今日まで最高側近の座を守り抜いてきたのだ。

「陛下、オーテンロッゼを止めますか?」

「いや、やらせておけ、死徒や死者の確保の術は確立されている。最大勢力の主とは言え、もはや後生大事に守る必要は無い。それにあれには少々面白い物も渡してある。もしかしたらロンドンを落としてしまうかも知れぬ。見守る事もまた情けだ」

「面白いものと言いますと?」

「・・・『赤月の涙(スカーレット・ティアー)』だ」

その名を聞き『影』はその表情を顰める。

「陛下、あれは危険と判断され封印した筈では」

「ああ、だが、今日まで功を立ててきたあいつに何の餞別も無しに死地に送り込むのもあまりに非情、それ故にな」

「お戯れを、あれを使えば例えロンドンを落とし、イギリス全土を制圧したとしてもオーテンロッゼに待っているのは自我を失い自己をなくし消滅に至る事は陛下もご承知の筈・・・処刑を執行されたのですか」

「ああ。いくら有能で有力な二十七祖でも無用な野心を持つ者に用は無い。せめて華々しく散らせてやるのも最後の情けだ」

「御意」

頭を静かに下げたまま、『影』は再び影の中に潜り込んでいった。









その頃、ロンドン総攻撃を決定したオーテンロッゼ率いる『六王権』軍、イギリス方面軍は慌しく侵攻準備が進められている。

既に先発部隊は『マモン』に搭乗しロンドンに侵攻を開始している。

そんな中、総司令官であるオーテンロッゼは本陣にて小瓶に入った一口分の液体を手に取り凝視していた。

それは『六王権』自らが最終勅命に赴いた時、

「オーテンロッゼ、貴様の失態は大きく重いが、今日まで成した功もまた多大、その功に報いる形でこれを授ける」

「こ、これは・・・」

「私が過去、主君より賜ったもの・・・名を『赤月の涙(スカーレット・ティアー)』と言う。これを飲む事により、死徒は己の力を最大限まで高める赤月の夜と同じ状態に常になる事が出来る上、死徒の再生能力が飛躍的に高まる」

「な!そのようなものが!」

「私は無論『影』や『六師』も不要ゆえ今日まで封印してきた。お前ならばこれを飲めば最大限の力を発揮出来るだろう」

「は、ははぁ!ありがたき幸せ!必ずやロンドンを落としイギリスを陛下に献上してご覧に入れます!」

「だが、早々気安く頼る事の無いように。『赤月の涙(スカーレット・ティアー)』はその一本だけだ。それに摂取しても長くて一日程度で効果が切れる慎重に取り扱う事だ」

「ははああ!」

その時オーテンロッゼは『六王権』の温情に感激し跪いて感謝の意を表していた。

だが、それを見る『六王権』の表情は侮蔑と嘲笑の笑みがこぼれていた。

オーテンロッゼに渡した『赤月の涙(スカーレット・ティアー)』は確かに死徒の力を赤月の夜と同じ位に高めるし、再生能力も飛躍、いや跳躍的に高める。

『六王権』は元より、厳密な意味で死徒でない『影』達側近衆に何の効果が無い事も事実だ。

しかし、その効果はそれだけではない。

オーテンロッゼには何も言わなかったがこの薬は一度体内に摂取してしまえば最後、じわじわと自我を溶かされ、次には自己を最後には肉体も消滅する。

すなわち自決薬の側面も併せ持っている。

更に一日程度しか効果が無いと言ったがこれは嘘だ。

毒薬と同じ効果も持っているそれは二度と効果は切れる事は無い。

体内に取り込めばもはや後戻りは出来ない。

行き着く先は消滅だけ。

早々にこれを使い消滅されても困る故にその使用を慎重にならざるを得ないよう、仕向けたに過ぎなかった。

だが、追い詰められれば必ず使うだろうと『六王権』は確信していた。

そして、『六王権』の読みどおり、『影』の功に焦ったオーテンロッゼは最高側近の座に固執するあまりに、その小瓶の封を開け、その液体を・・・破滅への一歩を一息に飲み干した。









数分後、本陣より出てきたオーテンロッゼは全身に力が漲り、その威風も以前とは桁違いまで高められていた。

そして、オーテンロッゼ専用の『マモン』に乗り込むと主力部隊に声も高々に宣言した。

「行くぞ!ロンドンを落とし、イギリスを制圧し、この地を『六王権』陛下に捧げようぞ!」

その号令を合図とするように主力部隊は進軍を開始。

目指すはロンドン。

「先発部隊は!」

「既にロンドン郊外にて敵と交戦を開始、やはり、死者を主力としておりますので現状は劣勢」

「構わん我々が到着すればそれで全てに片がつく。全軍急がせろ!!」









時を戻す。

ロンドンでは突然のダートフォードからの侵攻開始と言う一報に全員泡を食った。

しかし、それは『助かった』と言う心境に変化するのにそう時間は必要としなかった。

現状、動くに動けない膠着状況が続き、各地から続々とロンドンに避難しようとする難民にも頭を悩ませ、ロンドン放棄か決戦か追い詰められていた。

もしこの膠着が三日、いや一日でも続けば 『時計塔』は本当にどちらかを選ばねばならなかった。

その点では確かに『助かった』だった。

「ここで『六王権』軍を撃破すればこの苦境を脱せられると言うのですか?」

「うむ、どちらにしろここの放棄はまだ出来まい」

「確かにここは絶対防衛線。ここを抜かれればもはやイギリス全土の命運は決してしまいます」

『時計塔』にて、防衛の陣頭指揮に追われながらウェイバーがイスカンダルと今後の方針の確認を行っていた。

「ここが踏ん張り所だ。すなわち天下分け目の決戦。血沸き肉踊るのお」

「王よ、ご武運を」

「おう、ウェイバー貴様も防衛指揮しっかりと取れよ」

「はっ!!」

一方、既に展開が終わっているロンドン郊外では

「またなの・・・また変身しないといけないのーー!!」

凛の悲痛な(全員の心境を代表した)叫びの後、再び五色の光が瞬き、魔法少女達が降臨した。

そして遂に『六王権』軍と魔術協会軍はロンドン郊外で激突を開始する。

しかし、その中に未だ衛宮士郎はいなかった・・・

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